住民票から居場所がバレる危険性

知識
「親から逃げたい。でも、どこに行っても探される気がする」そんな不安を抱えたことはありませんか?
私自身、ずっとその恐怖と隣り合わせで、何十年も過ごしてきました。
たとえ引っ越したとしても、住民票をたどられれば一発で居場所がバレてしまうんです。
しかも相手が“親”であれば、役所の人も「ご家族ですから」と、あっさり情報を開示してしまうケースがあります。
恐怖と闘う中である日私は自分を守るために「住民票の閲覧制限」をかけるという選択をしました。
この記事では、私の体験をもとに、閲覧制限の仕組みや注意点、手続き方法についてお話ししていきます。

「住民票の閲覧制限」ってなに?

正式には「住民基本台帳の閲覧制限」または「住民票等の交付制限」と呼ばれる制度です。
これは、DV・ストーカー・虐待などの被害者を保護するために、加害者から住民票や戸籍が見られないようにする仕組みです。

たとえば、毒親から逃れて一人暮らしを始めたとしても、役所に何も手続きをしなければ、親があなたの住所を簡単に知ることができてしまいます。
でも、この制度を使えば、「この人には住民票を交付してはいけない」と役所が判断し、情報をブロックしてくれる制度のことです。

※ただし、絶対に開示されないとは限らないので、後述の注意点もご確認ください。

制限をかけるとどうなるの?

この制度を使うと、実際に以下のような対応を行なってくれます

  • 親や関係者が役所に行っても、あなたの住民票や戸籍は取得できない
  • 役所の窓口で「そのような情報はありません」などと案内される
  • 弁護士や代理人が申請しても、簡単には交付されず、審査が必要になる

ただし、自治体によって運用に差があるのが実情です。
まれに、職員が「制限がかかっています」とストレートに言ってしまうこともあるようです。
しっかりとしたマニュアルがないケースもあり、この点は少し不安を感じましたが、それでも「守ってくれる制度がある」という安心感は大きいです。

手続きの流れと必要書類

自治体によって様々ですが、手続きには少し手間がかかります。

  1. 市役所・区役所の「市民課」や「戸籍課」などに行く(出張所にも用紙がある場合あり)
  2. 受付で「住民票の閲覧制限をかけたい」と伝える
  3. 「交付制限等申出書」という書類を記入
  4. 被害状況について、口頭や書面で説明
  5. 必要書類がある場合は提出

私の住んでいる地域では、途中で警察署での聞き取り調査が入りました。
被害内容を詳しく説明し、相談記録を残してもらい、その情報を交付制限等申出書に記載。
その後、役所に提出するという流れでした。

よく求められる書類の例

  • 警察への相談履歴(相談カードなど)
  • 保護命令・接近禁止命令の写し
  • 児童相談所・福祉機関の支援記録
  • 加害者からのメッセージ(LINE、メールなど)
  • 自筆の陳述書(いつ・どこで・どんな被害を受けたか)

これらすべてが必要というわけではなく、可能な範囲で集めれば大丈夫です。
私自身、過去に警察に相談したこともありませんでしたし、自治体に助けを求めた記録もありませんでしたが、今まで受けてきた被害などを詳細に説明した所しっかりと閲覧制限をかけてもらうことができました。

また、私が住んでいる地域では”誰が取りにきたときに制限をかけるのか”を詳細に書く必要がありました。
詳細といっても名前を書くだけなんですが、両親の名前だけならまだしも親戚一同かけるとなると膨大な量になってしまいますよね笑
親戚のフルネームまで覚えてなかったので分かる範囲で記入しましたが、記入漏れがあった場合は都度申請が必要みたいです。

閲覧制限に関する注意点

  • 転入と同時に手続きするのがベスト(転居先の役所で最初から制限がかけられる)
  • 自治体によって対応が異なるため、事前に確認を
  • 永続的に有効ではない場合もある私の住んでる地域では年1回の更新が必要です)
  • 加害者に申請の事実が伝わることは基本的にない
  • 扶養に入っていると影響が出ることもある(社会保険・税金など)

また、マイナンバーカードを持っている場合、一部の機能が制限されることがあります。
申請時に、職員さんから詳しく説明を受けるようにしてください。

初めての申請で不安な場合は、最初に「ちょっと困っていて…」と相談だけしてみるのもOKです。
どうしていいのか分からないのであれば、電話でもやり方を教えてくれます。
まずは相談してみることが大事!

自分を守るための一歩として

「こんな制度、本当に使えるの?」私も最初はそう思っていました。だけど、いざ使ってみて自分を守るためにも必要な措置だったなと思います。
この制度を使っても居場所を知られてしまう時はあるけど、それでも心の安定剤の一つになりました。

自分を守るために逃げてもいいし、制度に頼ってもいい。私はその一歩を踏み出したことで、安心を取り戻すことができました。

まとめ

  • 毒親から離れるには、物理的な距離だけでなく情報の遮断も大切
  • 住民票の閲覧制限は、そのための有効な手段
  • 「役所は冷たい」と思っていたけど、助けてくれる人はちゃんといます

この制度のことを知っているかどうかで、人生が変わることもあります。
私の経験が、誰かが一歩を踏み出すきっかけになれたらうれしいです。

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